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MAツールとメール配信システムの違いは?各ツールがオススメな企業などについて解説

<この記事でわかること>

  • MAツールとメール配信システムの一番大きな違いは、「導入の目的」にある。具体的には、MAツールの目的は「見込み顧客の獲得・育成・選別に関わるマーケティング業務全体を効率化する」、メール配信システムの目的は「メール配信業務に特化して効率化する」である。
  • MAツールとメール配信システムの細かい違いとしては「主要な機能・コスト・現場での使いこなしやすさ」の3つが挙げられる。
  • MAツールを導入すべき企業は「顧客情報を活用してメール配信以外に幅広くマーケティング施策を行いたい企業」「多数のマーケティング施策に投下できるリソースを用意できる企業」など、メール配信システムを導入すべき企業は「投下する人員やコストを抑えながらマーケティング施策を行いたい企業」「大量のリストへスピーディーかつ確実にメール配信したい企業」などである。
  • それぞれオススメの企業には特徴があるため、導入時は自社の目的や状況にマッチしたツールを選ぶことが大切。もし自社の目的が「新規や既存なども含めてもっと幅広い顧客をフォローしたい」である場合、CRMシステムの導入を検討することもオススメ。

MAツールとメール配信システムの違いは?各ツールがオススメな企業などについて解説

MAツールとメール配信システムは、主に「導入目的・主要な機能・コスト・現場での使いこなしやすさ」という点で違いがあります。例えば「導入目的」による違いは、以下の通りです。

  • MAツール:見込み顧客の獲得・育成・選別に関わる「マーケティング業務全体」を効率化する
  • メール配信システム:「メール配信業務」に特化して効率化する

こうした違いがありますが、両者の間に優劣があるわけではありません。そのため、導入を検討する際は「自社の目的と照らし合わせるとどちらが適切か?」という視点を持って選びましょう。例えば「今はメール配信施策に注力しているからメール配信システムを導入しよう」「社内にマーケティングの専門知識が蓄積されているのでMAツールを導入しよう」といったイメージです。

本記事では、MAツールとメール配信システムの簡単な概要や両者の違い、各ツールがオススメの企業などについて解説します。

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「MAツール・メール配信システム」の概要を改めて確認しよう

「MAツール・メール配信システム」の概要を改めて確認しよう

まずは「MAツール・メール配信システム」の概要を簡単におさらいしましょう。「導入の検討にあたり両者を調べているがイマイチ違いがわからない」という場合は、ぜひご確認ください。

両者の概要を把握している場合は、「MAツールとメール配信システムの大きな違いは「導入の目的」」へ飛んでいただきますと、具体的な違いをご確認いただけます。

MAツール

「MAツール」とは、企業のマーケティング活動における「見込み顧客(リード)の獲得・育成・選別」のフローを仕組み化し、最終的な業務効率化を実現するツールのことです。

以下のように見込み顧客の状態やニーズに合わせたアプローチを行って、自社との信頼関係を構築することで、購買意欲を高めた状態で営業担当者へ引き渡せます。

  • 自社の製品資料をダウンロードした見込み顧客へメール送り商談を打診する
  • メルマガ登録者に有益情報を配信して信頼関係を築き最終的にウェビナーへ案内する
  • 自社サイトの料金ページを閲覧している見込み顧客へ詳細な料金表を資料として提供する

現在はインターネットやSNSが普及したことで、「消費者自身でサービスや商品をリサーチする→他社製品と比較・検討する→サービスや商品を購入する」という流れが主流になっています。

こうした状況下で、「サービスページを開設したが放置している」「漠然とテンプレート通りのメルマガを配信している」といった受け身の姿勢でいると、比較検討時の材料として想起してもらいにくくなり、なかなか購買につながりません。

そのため「自社に興味を持っている」と判断できた段階で、MAツールを活用して見込み顧客のニーズにマッチしたアプローチを行い、長期的に購買意欲を育成することが必須です。

MAツールの導入メリットや運用手順、成功のポイントなどは、以下の記事で解説しています。

また、見込み顧客の育成は「リードナーチャリング」とも呼ばれます。MAツールを活用するケースが多いため、合わせてご確認ください。

メール配信システム

「メール配信システム」とは、その名の通りメール配信施策の実行に特化したツールのことです。以下のように、メール配信施策に関する機能が特化して搭載されています。

  • メール文面の作成
  • 配信時間の設定
  • 配信リストの作成
  • 配信後の効果測定

単純に「登録者へメールを配信する」だけであれば、確かにGmailやOutlookなどを使えばよいかもしれません。しかし、以下のようなトラブルを引き起こす可能性が高くなります。

  • CCとBCCに入れる宛先を間違えてしまい顧客のアドレスを他社へ開示してしまう
  • 大量のリストへ送りすぎてしまい相手側のサーバから迷惑メール扱いされてしまう
  • 本来配信したい時間帯より遅い時間に届いてしまいターゲットに閲覧されにくくなる

メール配信システムであれば、アドレスを安全に管理し、届けたい相手へ確実に送信する仕組みが整備されているため安心です。

具体的なメール配信システムの種類や選び方などは、以下の記事で解説しています。

MAツールとメール配信システムの大きな違いは「導入の目的」

MAツールとメール配信システムの大きな違いは「導入の目的」

MAツールとメール配信システムの一番大きな違いは、以下の「導入の目的」です。

  • MAツール:見込み顧客の獲得・育成・選別に関わる「マーケティング業務全体」を効率化する
  • メール配信システム:「メール配信業務」に特化して効率化する

それぞれの詳細を確認しましょう。

MAツール:見込み顧客の獲得・育成・選別に関わる「マーケティング業務全体」を効率化する

MAツールは、「見込み顧客の獲得→アプローチによる育成→購買意欲を高めた状態での営業担当者への引き渡し」の実現に必要な、マーケティング施策全般の実行に対応しています。

具体的な施策の例は、以下の通りです。

  • 「自社サイトへの訪問頻度」「メルマガのクリック率」といった指標をもとにスコアリング基準を設定し、アプローチの優先順位を決める
  • LINE公式アカウントの登録ユーザーへ初回限定割引クーポンを配信し、初回購入のきっかけを作る
  • 自社の製品資料をダウンロードした見込み顧客へメール送り商談を打診する
  • メルマガ登録者に有益情報を配信して信頼関係を築き最終的にウェビナーへ案内する
  • 自社サイトの料金ページを閲覧している見込み顧客へ詳細な料金表を資料として提供する

このように「メール配信を含めたマーケティング施策」に幅広く対応している点が、大きなポイントです。

メール配信システム:「メール配信業務」に特化して効率化する

メール配信システムは、以下のように「メール配信業務の効率化」に特化したツールです。

  • 大量のリストへ遅滞なく安定的にメールを配信する
  • アプローチしたい顧客をセグメント分けする
  • アプローチ先を自動で抽出し配信リストを作成する
  • メールの配信時間帯や配信タイミングを事前に設定する
  • 自社の施策に合わせてメルマガやステップメールシナリオメールなどを送り分ける
  • 配信後にクリック率や開封率などを測定しPDCAサイクルを回す

確かにMAツールにもメール配信機能は搭載されているため、メールを活用したアプローチは実施できます。

しかし、メール配信システムには「メール配信に必要な機能」が絞って搭載されているため、MAツールより使い勝手がシンプルです。さらに、より詳細な効果測定や配信設定なども実施しやすいため、「メール配信施策にリソースを投下したい」という企業に最適でしょう。

MAツールとメール配信システムの細かい違いを項目別で解説

MAツールとメール配信システムの細かい違いを項目別で解説

他にも、MAツールとメール配信システムには以下のような違いがあります。

  • 主要な機能
  • コスト
  • 現場での使いこなしやすさ

主要な機能

MAツールとメール配信システムは「導入の目的」が異なります。こうした目的の違いに対応できるよう、機能も以下のように異なります

【MAツール】

機能 概要
リード管理機能 獲得した見込み顧客情報を管理する機能。情報は「資料ダウンロード時の入力情報」「展示会で交換した名刺情報」「セミナー後に直接話して聞いた内容」といったルートで獲得する。
スコアリング機能 「自社への興味度合い」「購買意欲の高さ」などを数値で具体的に表す機能。「自社サイトへの特定ページの閲覧頻度」「メールのクリック率」「ウェビナーへの参加可否」などを基準に興味度合いを数値化し、アプローチする際の優先順位決めに役立てる。
キャンペーン管理機能 「特別割引クーポンの配布」「プレゼントキャンペーン」といったキャンペーンを実施する際の情報を管理する機能。キャンペーン対象者のセグメント分けや効果測定などを実施できる。
メール配信機能 見込み顧客のニーズにマッチしたメッセージを配信して信頼関係を構築し、最終的な購買や商談などまでつなげる機能。
シナリオ設計機能 見込み顧客への具体的なアプローチの流れである「シナリオ」を決める機能。「どんなターゲットに対し・どのタイミングで・どのような施策を行うのか?」を設計して実行できる。
分析機能 「自社サイトへのアクセス数」「配信メールのクリック率」など、マーケティング活動に関わる数値を分析できる機能。具体的な分析項目はMAツールごとで異なる。
システム連携機能 MAツールを外部システムと連携する機能。CRMシステム(後述)やSFA、など連携することで、顧客管理情報をより幅広い施策へ応用できる。

【メール配信システム】

機能 概要
多種多様なメール配信機能

幅広い種類のメール配信を実施できる機能。ステップメールやシナリオメールはもちろん、ツールごとに独自の形式で配信できる。具体的な例は、以下の通り。

  • ユーザーが前回メールを開封した時間に合わせて配信する
  • HTMLメールを受信できないユーザーにはテキスト形式に変換して配信する
  • メール別に任意の送信アドレスを設定して配信する
多種多様なメール作成機能

幅広い方法でメールを作成できる機能。具体的な例は、以下の通り。

  • 頻繁に使う顧客の氏名や企業名などを事前に件名や本文へ差し込む
  • 「定期メルマガ」「誕生日のお祝いメール」「担当者名」などで任意のカテゴリタグを作って、メールに割り当てる
  • 頻繁に使う文面をテンプレートとして本文に差し込む
テンプレート機能 メール配信システムに標準搭載されているテンプレートを利用できる機能。業界や対象企業、利用シーンなど、幅広いシチュエーションに合わせて利用できる。
配信設定機能 メール配信時の条件を設定できる機能。配信日時や複数回の配信スケジュール、配信の休止時間帯、配信速度などの幅広い条件を設定できる。
効果測定機能

メール配信後に効果測定できる機能。開封率やクリック率だけでなく、以下のように細かい条件で測定できる。

  • 本文中のリンクについて、「誰が・いつ・どこをクリックしたのか?」を詳細に分析する
  • 配信先別にコンバージョン結果や端末種別などを分析する
  • 開封されやすい時間帯や曜日をヒートマップで表示する
エラーメール管理機能 配信できなかったメールを詳しく管理できる機能。「配信エラーの理由を分析してログを出力する」「エラー回数が規定に達したユーザーを自動で配信対象から除外する」などを実施できる。
迷惑メール対策機能 受信側に迷惑メール判定されないよう対策できる機能。例えば、正しい発行元であると証明できる「DKIM署名」が施されたメールを配信できるツールがある。

コスト

【MAツール】

メール配信以外の施策にも対応できるため、高機能です。ただしその分、コストも高くなりやすいでしょう。詳細な費用はツールごとで異なりますが、クラウド型なら「月額費用・初期費用」、オンプレミス型であれば「ライセンス発行費用・パッケージ購入費用・システムの保守費用」などが発生します。

もちろん、決して「費用が高いからMAツールはオススメできない」というわけではありません。コストがかかっても、MAツールを活用し幅広いマーケティング施策を行って高い売上を作れれば、長期的な費用対効果はアップします。

【メール配信システム】

機能を「メール配信」に絞っているため、比較的リーズナブルに導入できます。ツールによっても異なりますが、安ければ月額10,000〜30,000円程度で利用可能です。初期費用も数万円程度しかかかりません。また、「配信通数が少ない」「利用できる機能が限られる」といったツールなら、無料で利用できる場合もあります。

現場での使いこなしやすさ

【MAツール】

機能が豊富な分、使いこなすまでに時間がかかるでしょう。さらに、以下のようにメール配信施策以外にも目を向ける必要があります。

  • この顧客にはどんな施策を行うべきか?
  • どんな基準を設けて見込み顧客へのアプローチ順位を決めるか?
  • 実施後の分析結果をもとに、各施策をどのように修正すべきか?

そのため、マーケティング戦略に関する知見がない企業では、使いこなすまで大きな労力がかかるかもしれません。

【メール配信システム】

利用目的が「メール配信業務の効率化」に特化しているため、MAツールよりも機能はシンプルです。メール配信以外のマーケティング施策を設計するために、幅広い角度から検討する必要もないため、ある程度慣れれば現場でも使いこなしやすいでしょう。

「MAツール・メール配信システム」を導入すべき企業の特徴

「MAツール・メール配信システム」を導入すべき企業の特徴

上記で解説したように、MAツールとメール配信システムには、主要な機能やコスト面などで違いがあります。

こうした違いはありますが、決して「機能が多いからMAツールのほうがよい」「シンプルに使えるメール配信システムが優れている」というように、一概に優劣があるわけではありません。あくまでも「どんな問題を解決したいのか?」「どのような目標を達成したいのか?」といった自社の目的を踏まえ、最適なツールを選ぶことが大切です。

あまり安直に「自社と近い業態の企業が使っているからMAツールを導入しよう」というように判断しないよう注意しましょう。

それでは、具体的に「MAツール・メール配信システム」がそれぞれどのような企業にオススメなのか、解説します。

MAツールを導入すべき企業

MAツールを導入すべき企業は以下の通りです。

  • 顧客情報を活用してメール配信以外に幅広くマーケティング施策を行いたい企業
  • 多数のマーケティング施策に投下できるリソースを用意できる企業
  • 外部ツールと連携して顧客情報をさらに有効活用したい企業

顧客情報を活用してメール配信以外に幅広くマーケティング施策を行いたい企業

MAツールでは、一元管理した顧客情報をベースにして、メール配信だけでなく以下のように幅広い施策を展開できます。

  • 公式LINEを活用して見込み顧客へアプローチする
  • 見込み顧客の情報を分析して興味や関心事項を把握し、LPやオウンドメディアの構築に活かす
  • 見込み顧客からのニーズが高いノウハウをホワイトペーパーにまとめて配信する
  • 成約につながりやすい見込み顧客の特徴を洗い出し広告運用時のターゲティングに活かす

そのため、メール配信以外にも手広くマーケティング施策を行いたい企業には、MAツールが最適でしょう。

多数のマーケティング施策に投下できるリソースを用意できる企業

MAツールは、メール配信施策以外のマーケティング戦略に活用できるツールです。そのため、顧客情報を分析し「このターゲットにはどんなアプローチが必要か?」などを判断できる専門知識が求められます。

また、施策を実行するうえでは、コストはもちろん「社内で専任担当者を指名する」「専門部署を設けて運用の知見を蓄積させる」といった部分に投下できる人員も必要です。

こうした知識や人員、コストを社内で準備できる企業なら、MAツールを導入してもよいでしょう。

外部ツールと連携して顧客情報をさらに有効活用したい企業

MAツールの場合、CRMシステムやSFAといった外部ツールとの連携に幅広く対応しているケースがほとんどです。外部ツールと連携しさらに多くの顧客情報を収集できれば、分析データの幅が広がり、実行できるマーケティング施策の選択肢も増えるでしょう。

メール配信システムを導入すべき企業

メール配信システムを導入すべき企業は以下の通りです。

  • 投下する人員やコストを抑えながらマーケティング施策を行いたい企業
  • 大量のリストへスピーディーかつ確実にメール配信したい企業
  • 自社のターゲットを踏まえてメール配信施策への優先度を高めたい企業

投下する人員やコストを抑えながらマーケティング施策を行いたい企業

メール配信システムを使うにあたって、大規模なツールを導入したりサーバを契約したりする必要はありません。そのため、他のマーケティング施策よりも比較的手軽に実行できます。また、メール配信システムの機能がシンプルに絞られている分、MAツールより安価に利用可能です。

そのため、本格的にマーケティング施策に取り組みたい企業が、最初に使うツールとして最適といえるでしょう。

大量のリストへスピーディーかつ確実にメール配信したい企業

ツールにもよりますが、メール配信システムでは10万件以上という大量の配信リストへ送信することもできます。また、メールの到達率を高める仕組みも整っているため、「配信漏れが起きてアプローチできない見込み顧客が発生する」という心配もほとんどありません。

自社のターゲットを踏まえてメール配信施策への優先度を高めたい企業

自社のターゲットが「メールを日常的にチェックする可能性が高い層」である場合、無理にマーケティング施策の幅を広げず、一旦メール配信に注力してもよいでしょう。リーズナブルにメールを配信し、想定通りに購買や商談へつなげることができれば、非常に高い費用対効果を残せます。

メール配信施策へリソースを注いで売上を伸ばした後に、「さらなる利益の拡大に向けて別のマーケティング施策を検討する」ということも有効です。

いずれの場合も「目的や状況にマッチしたツール」を導入することが必須!

いずれの場合も「目的や状況にマッチしたツール」を導入することが必須!

このように、MAツールとメール配信システムを導入すべき企業には、それぞれ特徴があります。

そのため、先述のように「どちらのツールが優れているか?」と一概にいえるものではありません。「自社のリソース的に幅広いマーケティング施策に取り組むのは難しいためメール配信に注力しよう」「社内にある既存システムと連携して集めた顧客情報を幅広いマーケティング施策に活かしたい」というように、自社の目的や状況などにマッチしたツールを選ぶことが大切です。

どちらのツールを選ぶにしても、自社の目的や状況にフィットするものであれば、高い費用対効果を発揮するでしょう。

おすすめメール配信システム「Synergy!」の機能詳細を紹介!

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「Synergy!」メール配信機能の特徴をご紹介した資料です。まずは機能詳細を理解し、自社の課題解決に適しているかご検討ください。

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もっと幅広くマーケティング施策を強化したいなら「CRMシステム」も検討しよう

もっと幅広くマーケティング施策を強化したいなら「CRMシステム」も検討しよう

もし自社の目的を検討した結果、「新規や既存なども含めてもっと幅広い顧客をフォローしたい」というように決まった場合、MAツールやメール配信システムだけでなく、CRMシステムの導入も検討するとよいでしょう。

そもそも「CRM」とは、顧客のニーズや状態に合わせたフォローを行って満足度を高めて、強固な信頼関係を築くというビジネス上の考え方のことです。信頼関係を築いて自社のファンとなってもらえれば、自発的にサービスを購入したり周囲へオススメしてくれたりするようになるため、コストを投下せずとも売上をアップしやすくなります。

このCRMの考え方を、ビジネスの現場へ落とし込むためのツールが「CRMシステム」です。

CRMシステムも、MAツールと同じように「幅広い種類の顧客情報を一元管理できる」という特徴があります。しかし、CRMシステムはMAツールと異なり、以下のように見込み顧客だけでなく「幅広いフェーズの顧客をフォローする」際に有効活用できます。

  • 初回購入者へ「購入のお礼→使い心地に関するお伺い→商品の活用方法の案内→次回購入の提案」といった順番でステップメールを配信して2回目購入を促す
  • 累計の来店回数が一定以上を迎えた既存顧客へ、LINEで特別割引クーポンを配信してさらなる利用を促す
  • 既存顧客が利用している商品と関連した商品情報を配信してクロスセルを狙う
  • 一定期間以上サービスの利用がない「休眠間近の顧客」へ、再利用を促進する特別クーポンを配信する

さらにMAツールのように、メール配信だけでなく、公式LINEアカウントの運用やオウンドメディアの構築、LP作成といった幅広いマーケティング施策に活用できる機能も搭載されています。

このように、CRMシステムを活用することで「アプローチできる顧客の幅+実行できるマーケティング施策の幅」の両方を広げられるため、より自社で高い成果を実現しやすくなるのです。

もちろん、自社の現状を踏まえて「コストの問題があるのでまずはメール配信システムを使いたい」という考え方も、まったく問題ありません。

ただ、もし未来への投資という意味で、「長期的に幅広い顧客へのフォローやマーケティング施策の実行を実現できる状態を整えたい」ということであれば、CRMシステムを導入してもよいでしょう。

MAツールとメール配信システムの役割を兼ね備えた「Synergy!」もオススメ!導入事例も紹介

未来への投資も兼ねてCRMシステムを導入するのであれば、ぜひ弊社が提供する「Synergy!」をご検討ください。「Synergy!」とは、MAツールとメール配信システムの役割を兼ね備えたCRMシステムです。メール配信やLINE配信、アプリプッシュ通知などさまざまな機能を搭載しており、見込み顧客を営業できる状態まで引き上げるための施策を柔軟に設計できます。

メール配信機能については、「400万通/時」での配信が可能。メール配信システムと同レベルのスペックを持ちつつ、ステップメールやリターゲティングメールといった幅広いメール配信施策を設計できる点が魅力です。

それでは「Synergy!」を導入した事例として、株式会社グリーゼ様の事例を紹介します。同社は、企業の情報発信やコンテンツマーケティング支援を提供している企業です。インタビューを活用したコンテンツ制作を得意としており、BtoB企業を中心にWebサイトの導入事例や調査レポート、コラムなどを幅広く手掛けています。

同社ではもともと、外資系のMAである「Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)」や「Adobe Marketo Engage(旧 Marketo)」を導入していました。しかし、こうしたMAを利用する中で、「 ”高機能なMAが必要な企業” と ”MA以外のシンプルなツールが向いている企業” に二極化している」という点を実感します。そして、同社自身は「MA以外のシンプルなツールが向いている企業である」と考えるようになったことから、自社のマーケティングに必要な機能に絞ったツールへの乗り換えを検討するようになりました。

本来であれば、高機能なMAの全機能を使いこなせることが理想です。とはいえ、企業の人的リソースやコストには限りがあります。そのため、「自社のマーケティング戦略と照らし合わせて必要な機能だけに絞ることが重要である」と考えたうえでの結論でした。

そして、3社くらいのツールを比較・検討した結果、最終的に導入していただいたのが「Synergy!」です。価格面でいえば「Synergy!」よりリーズナブルなツールはありましたが、最終的に以下の理由で弊社をお選びいただきました。

  • フォームとデータベースが連携されているため、「配信解除した顧客をリストから除外する作業」を手動で実施する必要がない
  • 利用時の疑問や不安を解消するために、検討段階から手厚い説明を行ってくれた
  • フォームやメール、LINEなどの機能を自社のニーズに合わせてカスタマイズできる

とくに導入いただいた時期は、Gmailのガイドラインの改訂に伴い「登録者が容易に配信解除できる仕組みでなければいけない」「メール配信へ承諾していないリストにメールを配信しない」といったルールが厳格化されたタイミングでもありました。もしツールとの連携を忘れてしまい、「配信解除した顧客に誤ってメールを送ってしまう」といった事態が起きると、意図せず特定電子メール法に抵触しかねません。そのため、「配信解除を抜け漏れなく実施できる」という点は重要でした。

また、導入検討に際して、同社内では「リプレイスで発生するデータの移行作業や操作を覚え直す手間を考え直したら現状のツールでよいのでは?」という声もあったそうです。そこで弊社は、オンラインでの説明会を実施。デモ画面を使いながら、データ移行やメール配信の操作方法などを説明させていただいたことで、ツールの使いやすさを実感し導入を決める要因になったとのことでした。

本格的な導入後は、まずコスト面での成果を実感します。「Synergy!」はメール配信だけでも、ステップメールやABテスト、リターゲティングメールなど、さまざまな機能を搭載しています。この中から自社に必要な機能を絞って導入できるため、コストを半額以下に抑えることに成功しました。

操作感についても、「直観的に理解できるボタン配置や文言になっている」との声をいただいています。データ移行についても、弊社からオンボーディングプログラムでサポートさせていただいたこともあり、スムーズに完了できました。

そしてもちろん、メール配信施策の成果にもよい影響が現われます。顧客が求める情報を確実に届けられるようになったことで、開封率が「30〜40%」で安定。BtoBのメルマガの開封率は、一般的に「20〜30%」が平均といわれているため、かなり高い数値であるとわかります。メルマガ以外に、調査レポートや導入事例、販促用メールなどを配信しても、「30~50%」ほどの開封率を維持しています。

また、配信解除のタイミングをジャーナルメールで検知できるよう設定したことで、「どの内容で離脱されたのか?」を分析し、今後のメルマガ運用に活かせるようになりました。

このように、従来のMAから「Synergy!」へリプレイスした結果、業務効率化はもちろんメール配信施策の成果も伸ばせた好例といえるでしょう。

株式会社グリーゼ様の事例詳細については以下の記事をご確認ください。

幅広いツールを比較して自社に最適な選択肢を取ろう!

幅広いツールを比較して自社に最適な選択肢を取ろう!

MAツールとメール配信システムの大きな違いとしては、以下のように「導入の目的」が挙げられます。

  • MAツール:見込み顧客の獲得・育成・選別に関わる「マーケティング業務全体」を効率化する
  • メール配信システム:「メール配信業務」に特化して効率化する

上記以外では、主に「主要な機能」「コスト」「現場での使いこなしやすさ」という3点で違いがあります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概に「どちらのツールが優れているか?」とは言い切れません。

あくまでも「コストを抑えて顧客へアプローチしたいのでメール配信システムを使おう」「もっと幅広いマーケティング施策を実行したいのでMAツールを導入しよう」というように、自社の目的や状況を踏まえて最適なツールを選ぶことが大切です。

もし自社の導入目的を検討した結果、「見込み顧客だけでなく新規顧客や既存顧客などの幅広い層をフォローしていきたい」となった場合、ぜひCRMシステムの導入をご検討ください!CRMシステムであれば、「アプローチできる顧客の幅+実行できるマーケティング施策の幅」の両方を拡張できるため、より高い成果を実現しやすくなります。

CRMシステムを選ぶ際は、弊社が提供する「Synergy!」の導入もオススメです。今回の事例で紹介したように、MAツールから切り替えつつメール配信施策の実行まで対応できるため、MAツールとメール配信システムの両方の役割を担うことができます。

CRMシステム「Synergy!」の特長が機能別でわかる資料です!

「Synergy!」の具体的な製品機能については、ぜひ以下のフォームから資料をダウンロードしてご確認ください。

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※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。