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ステップメールのシナリオとは?設計手順や成果につなげるポイントなどを解説

ステップメールのシナリオとは?設計手順や成果につなげるポイントなどを解説

ステップメール配信では「シナリオ設計」が重要です。ニーズや心理変化、想定できるアクションなどを踏まえマッチした最適なメッセージを送ることで、顧客と信頼関係を構築し最終的なゴール達成に近付けます。

基本的には、以下の手順を参考にしてシナリオを設計しましょう。

  • Step1.シナリオ作成の目的を設定する
  • Step2.自社でアプローチすべきペルソナを定める
  • Step3.カスタマージャーニーマップをもとに顧客のアクションやニーズを分析する
  • Step4.具体的なシナリオを作成する
  • Step5.メール文面を作成する
  • Step6.シナリオに沿って配信しPDCAサイクルを実行する

配信目的を踏まえ、毎回のメールで伝えたいメッセージを明確化することで、よりゴール達成につながるシナリオを作れるでしょう。

本記事では、ステップメールのシナリオ設計の手順や成果につなげるポイント、意識すべき注意点などを解説します。

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<目次>

ステップメールにおける「シナリオ」とは?

ステップメールにおける「シナリオ」とは?

まず「ステップメール」について簡単におさらいしましょう。

ステップメールとは、「顧客が特定のアクションを起こした日付」を起点として、事前に定めたスケジュールに沿ってメールを配信する施策です。「資料ダウンロード日」「会員登録日」などを起点に順次メールを配信することで少しずつ信頼関係を構築し、以下のように自社が望む目的へつなげます。

  • 商品の初回購入者を定期契約へ引き上げる
  • 資料をダウンロードした顧客と初回商談をセッティングする
  • 無料プランの利用顧客を有料プランへ引き上げる
  • メルマガ登録者に自社ウェビナーへ参加してもらう

ステップメールのメリットを含めた基礎知識については、以下の記事で解説しています。

そしてステップメールにおける「シナリオ」とは、起点となるアクションから目的達成へつなげる筋書きのことです。「認知・比較検討・購入・リピート」といったプロセスごとで、ターゲットのニーズや悩み、アクションなどを考えてマッチするメールを配信し、信頼関係を構築して最終的なゴール達成を実現します。

例えば「ECサイト経由の初回購入者へ継続購入を促したい」という目的の場合、以下のようなシナリオでアプローチできます。

  • 1通目:購入から3日後に「お礼メール」を配信する
  • 2通目:購入から2週間後に「使い心地の確認メール」を配信する
  • 3通目:購入から1か月後に「効果的な使用方法の説明メール」を配信する
  • 4通目:購入から2か月後に「継続利用のメリットに関する訴求メール」を配信する
  • 5通目:購入から3か月後に「計測購入を促す仕掛けを施したメール」を配信する

信頼関係を構築しきれていない初回購入者へいきなり次回購入を打診すると、営業色が強く出てしまい、不信感を持たれ離脱するかもしれません。しかし、使い心地の確認や活用方法の説明といった顧客フォローに重きを置くことで、自然と信頼してもらえるようになり、無理なく次回購入を打診できます。

シナリオメールとの違い

ステップメールとシナリオメールの違いは、以下の通りです。

  • ステップメール:「日付」を起点として配信スケジュールを設計する
  • シナリオメール:「顧客のアクション」を起点としてスケジュールを設計する

ステップメールでは、事前に指定した日程を基準としてメールを配信します。例えば、商品の初回購入日を最初の起点とした場合、その後は「3日後に購入のお礼→2週間後に使い心地の確認→1か月後に効果的な活用方法の説明……」といったイメージです。

一方のシナリオメールは、◯日後にメールを配信する形ではなく「具体的な顧客のアクションごと」でシナリオを設計します。例えば、「メールを開封した顧客にはパターンAのメール・メール未開封の顧客にはパターンBのメールを送る」といったイメージです。

このように、ステップメールは「最初に決めた間隔で配信する」、シナリオメールは「顧客のアクションによって配信メールが変わる」という点を意識しましょう。

シナリオメールの詳細については、以下の記事で解説しています。

ステップメールの具体的なシナリオ設計方法

ステップメールの具体的なシナリオ設計方法

ステップメールの具体的なシナリオ設計方法は、以下の通りです。

  • Step1.シナリオ作成の目的を設定する
  • Step2.自社でアプローチすべきペルソナを定める
  • Step3.カスタマージャーニーマップをもとに顧客のアクションやニーズを分析する
  • Step4.具体的なシナリオを作成する
  • Step5.メール文面を作成する
  • Step6.シナリオに沿って配信しPDCAサイクルを実行する

Step1.シナリオ作成の目的を設定する

シナリオの流れは、以下のような「ステップメールの配信目的」によって変わります。

  • 商品の初回購入者をリピート購入や定期契約へ引き上げたい
  • 製品資料のダウンロード顧客と商談したい
  • メルマガ登録者に自社サービスにも初回登録してほしい
  • ウェビナー参加者に製品の無料デモへ申し込んでほしい

例えば、初回購入者を定期契約へ引き上げたいのであれば「商品の使い心地のお伺い」「具体的な活用方法」「他社と比較した際のメリット」などを順序よく配信することで、少しずつ信頼関係を構築し自然と定期契約を促せます。

このように最終的に促したい行動に応じて、シナリオの具体的な流れや配信の間隔、伝えるべきメッセージなどが変わるため、必ず最初に目的を設定しましょう。

Step2.自社でアプローチすべきペルソナを定める

目的を設定したら、自社でアプローチすべきペルソナを定めましょう。

ペルソナとは、以下のような項目について「特定の顧客が思い浮かぶレベル」までターゲットを深掘りしたものです。

BtoC
  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 年収
  • 趣味嗜好
  • 家庭環境
  • 性格
  • 抱える悩み
  • 購買行動の傾向
  • 週末の過ごし方
  • 通勤時の過ごし方
BtoB
  • 企業規模
  • 所属部署
  • 部署の人数
  • 現在の課題
  • 役職
  • 決裁権の有無
  • 企業方針
  • 情報収集で使ってるデバイス

ペルソナを明確化することで、「このターゲットは・どんなタイミングで・どんなニーズを感じるのか?」を考えやすくなり、各タイミングにマッチしたシナリオを設計できるようになります。

また、ペルソナを決めておくことで「刺さるタイトル」「ターゲットが求めているコンテンツ」なども適切に考えやすくなるでしょう。

ペルソナの設定方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

Step3.カスタマージャーニーマップをもとに顧客のアクションやニーズを分析する

まずカスタマージャーニーとは、顧客における「自身のニーズを意識→自社サービスを認知→比較検討→購入→リピーター化」という流れを表現したものです。以下のプロセスにおける顧客の心理変化やアクションなどを「旅(ジャーニー)」に例えています。

顧客が自社商品やサービスを認知して購入し、ファン化するまでの一連のプロセスにおける具体的な顧客行動や心理の変化

このカスタマージャーニーを以下のように可視化し、具体的な顧客の変化を確認できるようにしたものが「カスタマージャーニーマップ」です。

CRMシステム「A」のカスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップを作成し、各プロセスにおける以下のような心理変化やアクションを洗い出すことで、顧客が起こすアクションや抱えるニーズなどを踏まえ、適切な方向性でシナリオを設計できます。

  • 何をきっかけに自分自身のニーズを認識するのか?
  • どんな悩みを解消したくて検索したのか?
  • 自社サービスを認知する媒体は何か?
  • 比較検討や初回購入後にチェックするポイントは?
  • 次回購入を決めるきっかけは何か?

例えば、カスタマージャーニーマップによって「顧客は他社との違いを明確に判断してから次回購入する」と予測できた場合、シナリオ内では他社と比較した際のメリットを強調すべきでしょう。

上記のようなイメージで、各フェーズの顧客の状態に対して最適なメッセージを配信できれば、自然とメールを読み続けてもらい最終的なゴールを達成しやすくなります。

カスタマージャーニーおよびカスタマージャーニーマップの具体的なメリットや作成方法などは、以下の記事で解説しています。

Step4.具体的なシナリオを作成する

カスマタージャーニーマップをもとに、具体的な全体のシナリオを設計しましょう。シナリオについては、各フェーズにおける顧客のアクションや心理を想定したうえで、最適なメッセージを設計することが大切です。

イメージを持ちやすくするため、実際に弊社が提供しているCRMシステム(詳細は後述)を活用し、シナリオを設計したユースケースを踏まえて紹介します。

今回は、EC企業で「新規顧客に継続購入を促す目的」でシナリオを設計した例を取り上げます。「なぜこのシナリオを設計したのか?」という背景も含め解説しているため、自社で考える際の参考にしてください。

EC企業で「新規顧客に継続購入を促す目的」でシナリオを設計した例の図

【1通目】
最初はお礼メールを配信します。実はお礼メールは、もともと「顧客の気持ちが商品に向いているうちに早く送りたい」と考え、購入日の翌日に配信予定でした。しかし調査によって「全員が購入してすぐ使うわけではない」ということが判明。そのため、最初のアプローチを「購入後3日目」に設定します。

【2通目】
2通目では、商品を試したタイミングを見計らって使い心地の確認メールを送ります。ちょうど使ったであろうタイミングでメッセージが届けば、「自分のことをしっかり見てくれている」という印象を与えたうえで顧客との接点も増やせます。

【3〜5通目】
以下のようにメールを配信します。

  • 3通目:効果的な使用方法の説明
  • 4通目:継続利用のメリットを訴求
  • 5通目:継続購入を促す仕掛け

最初は「商材は2か月程度で使い切る」という想定でした。そのため、商品をほぼ半分使った「1か月後」と、使い切っているであろう「2か月後」の2回のみの配信予定でした。

しかし調査によって、2か月で使い切らない顧客が一定数存在していたことが判明します。そのため「ゆっくり使い切る顧客」を想定し、最終購入につながるキャンペーンメールを3か月後に配信。結果として、使い切るタイミングが異なる顧客であっても、3か月目には満遍なく訴求できるようになり、売上アップを実現します。

このようにシナリオを設計する際は、カスタマージャーニーマップの内容やペルソナも想定しつつ、現実の顧客の動きとなるべく正確にマッチさせることを意識しましょう。

Step5.メール文面を作成する

設計したシナリオに沿って、メール文面を作成します。各シナリオにおける顧客ニーズやアクション、心理などを想定して、適切にアプローチできる文章を作成することが大切です。

例えば「初回購入で感じる疑問点は?」「何に満足して次回購入を決めるのか?」などをイメージし、それらへ適切に回答できる文章を作成しましょう。

メールは主に、以下のいずれかで作成します。

テキストメール シンプルに文字だけで作成したメールのこと。文章が書ければ作成できるため、特別な専門知識は不要。ただし、画像や動画などは挿入できず視覚的な訴求が難しいため、読者を惹き付ける難易度が高い。
HTMLメール Webページのレイアウトなどに使用するHTML言語を使って作成したメールのこと。テキストカラー付けやフォントサイズの変更、画像の埋め込みなどができるため、テキストメールより視覚的に訴求できる。伝えられる情報量が増えるだけでなく、メールの開封率もアップしやすい。より具体的なHTMLメールのメリットや作成方法などは、以下の記事でまとめている。

関連記事:HTMLメールとは?メリット・デメリットと作り方を解説

イメージを持ちやすくするために、弊社で実際に利用しているステップメールの文面を紹介します。弊社システムの製品資料をダウンロードした顧客へ送信しているものです。

(お客様のお名前)樣
お世話になっております。
シナジーマーケティングの(弊社担当者名)です。
先日資料をダウンロードいただいたSynergy!ですが、料金表はすでにご確認されましたか?
Webサイトには詳細は掲載していないため別途詳細のご案内ができればと
本日はメールを差し上げました。

◆Synergy!料金表はこちら

Synergy!の費用は以下の特徴があります。
①基本機能+必要な機能のみ費用が発生
②月額費用は従量課金制・顧客データ数などによる料金テーブルを設置
◎システム操作ユーザー数は無制限!

例えば、Synergy!で顧客管理を行いたい場合。
顧客データが~5,000件までであれば
初期費用は【118,000円~】、月額費用は【15,000円~】となります。
この料金の中で、【データベース・フォーム(作り放題)機能】をご利用いただけます。

一度、ご興味のある機能と照らし合わせて料金表をご確認いただけると幸いです。
(お客様のお名前)様のご検討内容や、データ件数などをお知らせいただければ
個別の概算見積もりも可能です。
その他、初期設定代行など各種オプションも用意しております。
お気軽にお電話・メールにてご相談ください。
(お客様のお名前)様からのお返事をお待ちしています。

どうぞよろしくお願いいたします。

※すでに検討事項が解決した場合など、このような連絡が不要な場合は
お手数ですがその旨メールにてお返事いただけると幸いです。

シナジーマーケティング株式会社(弊社担当者名)
Mail:(弊社担当者のアドレス)
TEL:06-4797-2424
URL:https://www.synergy-marketing.co.jp/

上記の文面内の金額は「送信当時」の内容であるため、現在と異なる可能性がある点についてはご了承いただけますと幸いです。

上記の文面は、サイト上の顧客行動をもとに「目標とのギャップが発生している段階」を詳細に分析したうえで作成しました。具体的には「資料Aをクリックした」「資料Bをクリックした」など、目標につながるかを決める重要な分岐点となっているポイントを細かく洗い出しています。

例えば弊社では、上記のポイントを洗い出すことで以下の事実がわかりました。

  • 製品資料のダウンロード後は料金表をクリックされる可能性が高い

そのため、まずは次回のメールで料金表を配信しています。

とくに資料ダウンロードの場合、以下のように潜在的な顧客層が多いです。

  • とりあえず情報収集したい
  • 参考になればと思い気軽な気持ちでダウンロードした
  • 製品に興味はあるが具体的な導入はまだ検討していない

そのため、1通のメールを送っても、購入につながるわけではありません。購買意欲を高めるには長期的な視点が必要なため、「資料をダウンロードする人の課題は?」「ダウンロード後にどんな行動を取りそうか?」などを考慮してステップを細分化しました。

上記で決めたステップをベースに、メール配信後も以下のように異なるメッセージを送り、長期的な目標達成へつなげています。

  • 違う資料の案内
  • ウェビナーの案内
  • 詳細な機能紹介

また、実際に文面を作成する際は以下の点を意識しています。

  • 配信対象ごとに言葉遣いや見出しなどを見直して適切な表現でまとめる
  • 文面完成後にメンバーから客観的な意見をもらい「目標とマッチしているか?」を常に意識する
  • ホワイトペーパーやオウンドメディアといった社内のコンテンツを把握し、文面作成時の引き出しを作っておく
  • 自社で新しいコンテンツが公開される度に「どのタイミングでの送信に役立つか?」を考えるクセを身に付けてアプローチの選択肢を増やす
  • 他社の営業メールや弊社営業メンバーの文面を見て響いた表現があればストックする
  • 配信対象の検討段階に合わせて文面を変更する

漠然と文章を書くのではなく、顧客を意識して「このタイミングの顧客は◯◯の状態だから××について文面を作成しよう」と考えることが必須です。

上記以外の作成ポイントやシーン別のテンプレートなどは、以下の記事に掲載しています。シナリオ全体の設計方法がわかったら、ぜひ以下の記事を参考に「細かい文章の書き方」を押さえてください。

Step6.シナリオに沿って配信しPDCAサイクルを実行する

文面を作成したら、最初に設計したシナリオに沿って配信しましょう。配信後はそのまま放置せず、必ず定期的にPDCAサイクルを回してください。

以下のように開封率やクリック率などの数値を振り返り、想定通りの結果が出なかった原因を考え次回の配信で改善することで、少しずつゴール達成に近付けます。

  • 開封率:配信メールを顧客が開封した割合
  • クリック率(CTR):メール本文に埋め込んだリンクがクリックされた割合
  • 反応率:開封されたメールの中でリンクがクリックされた割合
  • コンバージョン率(CVR):自社が定めた特定のアクションを起こした割合
  • 直帰率:最初の1ページしか閲覧されなかったセッションの割合
  • 配信解除(解約・停止)率:一定期間内にメール配信登録を解除した割合
  • エラーメール率(不達率):読者に届かなかったメールの割合

ステップメールで効果測定に使うべき指標の詳細や具体的な改善例などは、以下の記事で解説しています。

活用場面に合わせたポイントを紹介!シナリオ機能ユースケース

活用場面に合わせたポイントを紹介!シナリオ機能ユースケース

今持っている課題解決のために、どのようなシナリオ設計が有効なのか。ユースケースにあわせて解説した資料です。

資料をダウンロードする

ステップメールのシナリオ作成を成功させるポイント

ステップメールのシナリオ作成を成功させるポイント

ステップメールのシナリオ作成を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。

  • シナリオによって達成したいゴールを明確化しておく
  • 毎回のメールで「アピールしたいメッセージ」を明確化する
  • 最初はシンプルなシナリオを作成して配信する
  • テンプレートを活用してシナリオを組み立てる

シナリオによって達成したいゴールを明確化しておく

具体的なシナリオの流れは、最終的な目標によって変わります。例えば「商品の初回購入者を定期契約に引き上げる」という目的であれば、以下のようなシナリオを設計できるでしょう。

購入のお礼→使い心地に関するお伺い→商品の有効的な活用方法→他社と比較した際のメリット→次回購入の促し

上記はあくまでも一例であるため、扱う商材や業界、自社ターゲットなどによっても変わります。とはいえ、どんなシナリオを設計するにしても、達成したいゴールは必ず最初に設定しましょう。

毎回のメールで「アピールしたいメッセージ」を明確化する

ステップメールの作成では、シナリオ全体だけでなく「各メールのコンテンツ」にも注力することが必須です。顧客ニーズやアクションの変化に沿った全体シナリオを設計しても、肝心の文面がターゲットに刺さらなければ、登録解除されるかもしれません。

そのため、毎回のメールで「誰に・どのようなメッセージを届けているのか?」という部分が明確に伝わるよう意識しましょう。

最初はシンプルなシナリオを作成して配信する

顧客ニーズや購買までのアクションなどは多様化しています。そのため、いきなりカスタマージャーニーマップに沿った完璧なシナリオを設計しようとすると、「さまざまなパターンを考えることが手間」「どんな基準でシナリオの分岐を考えればよいかわからない」といった壁にぶつかり、うまく構築できないかもしれません。

ステップメールへ取り組むモチベーションを維持する意味でも、最初はシンプルなシナリオ設計から始めましょう。例えば、最初は複雑な分岐パターンを考慮せず、以下のように「各フェーズにマッチしたメールを1通ずつ配信する(今回であれば合計4通)」といったイメージです。

初回購入のお礼→使い勝手のお伺い→有益な情報の提供→次回購入のお誘い

上記のシンプルなシナリオから取り組んで成果を振り返ることで、「お礼メールはもう少し早めに送ろう」「有益な情報の提供回数を増やして信頼関係の構築に時間をかけよう」といった形で改善できます。こうした改善を続けることで、最終的に顧客ニーズやアクションにマッチした最適なシナリオを設計できるでしょう。

テンプレートを活用してシナリオを組み立てる

シナリオ設計の際は、上記で紹介したカスタマージャーニーマップ以外にもテンプレートを活用できます。

テンプレートの例 概要
AIDMA 以下5つの言葉の頭文字を取ったもの。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

顧客が商品の存在を知ってから購買行動を起こすまでの段階を流れに沿って考えられる。

AISAS 以下5つの言葉の頭文字を取ったもの。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Search(調査)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

とくにインターネットにおける顧客の購買心理プロセスを指す。SNSやクチコミサイトなどを調査したうえで、他者と情報共有する重要な消費行動としてあげられる。 ※「AISAS」は株式会社電通の登録商標

PASONAの法則 以下6つの言葉の頭文字を取ったもの。

  • Problem(問題)
  • Affinity(親近感)
  • Solution(解決策)
  • Offer(提案)
  • Narrow down(絞り込み)
  • Action(行動)

顧客の問題点を提示し、相手の気持ちに寄り添いながら具体的な解決策を示すことで、お得感をアピールして購買行動へつなげる。

0ベースでシナリオを設計するとイメージが湧きにくいため、最初は上記のようなテンプレートに当てはめてシンプルなシナリオを作りましょう。

ステップメールのシナリオを作成する際の注意点

ステップメールのシナリオを作成する際の注意点

シナリオを作成する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 「読者は前回の内容を覚えていない」という前提で設計する
  • クロージングを仕掛けるタイミングを間違えない

「読者は前回の内容を覚えていない」という前提で設計する

ステップメールの制作者はすべてのシナリオを把握しているため、どうしても「このように書けばメッセージが伝わるだろう」と考えがちです。しかし、当然ですが読み手は「どんな順番で・次にどんなメッセージが送られてくるか?」を知りません。また、読者が前回送ったメールを必ずしも覚えているとは限りません。

そのため「読者は前回の内容を覚えていない」「全体像を知らない」という前提でシナリオを設計し、メールを作成しましょう。

具体的には、以下のような点を意識してまとめることが理想です。

  • 「今回のメールはどのシナリオに該当するのか?」という位置付けを明確化する
  • 「前回も触れたように〜」だけで終わらせず、必要な情報はポイントをピックアップしてまとめておく
  • メールの冒頭で今回のメッセージの重要ポイントをわかりやすくまとめて提示する

上記を踏まえた文面であれば、読者が毎回のメールを独立してチェックしても、「有益な情報を見られた」と感じてもらいやすくなります。

クロージングを仕掛けるタイミングを間違えない

プメールでは、最終的に「サービスへの新規会員登録」「商談への申し込み」など、何らかのクロージングを仕掛けます。しかし、成果を出したいばかりに早くクロージングを仕掛けても、顧客から不信感を抱かれ離脱されるリスクがあるため注意しましょう。

例えば、サービスの新規登録を促すのであれば、いきなり「登録してください」と送ることは避けるべきです。以下のような情報を提供し、長期的に信頼関係を構築したうえでクロージングを仕掛ければ、顧客も不信感を抱かずスムーズに登録するでしょう。

  • サービスの特徴
  • 他社と比較した際のメリット
  • 具体的な活用シーン
  • 顧客が抱えている悩みを解消できるコンテンツ

etc.

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ステップメールのシナリオ設計および配信ではツールを利用しよう!

ステップメールのシナリオ設計および配信ではツールを利用しよう!

ステップメールのシナリオは、「目的を設定する」「顧客ニーズや心理変化の流れに沿ったシナリオを考える」といったポイントを踏まえた設計が必須です。また、メール配信後も、数値を効果測定し次回以降の文面を改善する必要があります。

こうしたステップメールのシナリオ作成や配信後の効果測定には専門知識が必要なため、専用ツールを利用することが一般的です。ツールであればシナリオ作成や配信設定、効果測定などに必要な機能がデフォルトで搭載されているため、スムーズにステップメール施策を実施できます。

ステップメール施策で活用できるツールとしては、主に以下があげられます。

  • メール配信システム
  • MA
  • CRMシステム

メール配信システム

メール配信システムとは、メール配信施策の実行に特化したシステムのことです。事前の設定に沿ったステップメール配信はもちろん、「配信レポートを活用した施策の改善」「HTMLメールによる視覚的にアピールしやすい文面の作成」などを実行できます。製品によっては配信時間帯を制御できるため、夜遅い時間に配信してしまいクレームが来るような事態を回避できるでしょう。

無料のシステムもあるため、「配信先があまり多くない」「最低限の機能だけあればOK」といった企業であれば、高い費用対効果が期待できます。

メール配信システムの具体的な選び方は、以下の記事で解説しています。

MA

MAとは、見込み顧客の獲得・育成・選別までのプロセスを仕組み化し、マーケティング活動を効率化できるツールのことです。見込み顧客を適切にフォローして、自社への興味や購買意欲を育て成約確率を高めたうえで、営業担当者へ引き継ぐまでのフェーズを受け持ちます。

見込み顧客のフォローには、ステップメールを活用した施策も含まれます。例えば、「ウェビナー参加者へメールを配信して商談に持ち込みたい」「展示会で名刺交換した見込み顧客をメールでフォローして新規契約へ引き上げたい」といったイメージです。こうした施策へ対応できるよう、MAにもメール配信機能が搭載されています。

MAの導入メリットや具体的な機能などは、以下の記事で詳しくまとめています。

CRMシステム

まず「CRM」とは、顧客のフェーズに合わせた最適なフォローを提供し、長期的な信頼関係を構築するという考え方のことです。信頼関係を構築し、自然と「この企業のサービスを使い続けたい」と思ってもらうことで、無理なく顧客のファン化を促せます。上記の考え方をビジネスへ反映させるツールが「CRMシステム」です。

CRMシステムでは、以下のように社内にある幅広い顧客情報を一元管理できます。

  • 顧客の基本情報(氏名・年齢・性別など)
  • 連絡先(電話番号・メールアドレス)
  • 商品の購入履歴
  • 問い合わせ履歴
  • 店舗での接客履歴
  • 商談履歴
  • セミナーや展示会で交換した名刺情報

CRMシステムにも、メール配信機能が搭載されていることが一般的です。幅広い情報を管理しているため、さまざま角度からデータを分析し「見込み顧客をフォローして新規契約へ引き上げる」「既存顧客をフォローして末長く利用し続けもらう」など、さまざまなフェーズにマッチしたステップメールのシナリオを設計できる点が魅力です。

CRMシステムの具体的な機能やメリットなどは、以下の記事で解説しています。

効率的なステップメールのシナリオ設計を実現するなら「CRMシステム」がオススメ!

効率的なステップメールのシナリオ設計を実現するなら「CRMシステム」がオススメ!

メール配信システムやMAなどを活用すると、より効果的にステップメールのシナリオ設計および配信を実行できます。とくにMAやCRMシステムの場合、ツールの提供会社によっては「運用定着までのマンツーマンサポート」「ツールの操作説明会」など、充実したサポートを提供しているケースもあります。こうしたサポートを活用すれば、初めてステップメールのシナリオを設計する企業でも安心です。

とくに効果的にシナリオ設計するのであれば、CRMシステムの導入も検討してください。CRMシステムでは、上記で解説したように「見込み顧客・新規顧客・既存顧客」という幅広いフェーズの顧客情報を一元管理しています。

そのため他のツールより、以下のようにあらゆるシーンで活用できるステップメールのシナリオを設計可能です。

  • ウェビナー参加者を商談へつながるシナリオ
  • 商品の初回購入者を次回購入につなげるシナリオ
  • 複数回購入している顧客を定期契約へ引き上げるシナリオ
  • 離脱客を再び自社へ呼び戻すシナリオ

ビジネスにおける幅広いシーンに活用できるシナリオを設計できるのは、CRMシステムならではの魅力です。

スムーズにシナリオを設計してステップメールを配信するなら「Synergy!」がオススメ!成功事例も紹介

スムーズにシナリオを設計してステップメールを配信するなら、ぜひ「Synergy!」の導入をご検討ください。「Synergy!」では、企業が持つコンテンツを活用して独自性が高いシナリオを設計し、スムーズにステップメールを配信できるようサポートさせていただいております。

実際に「Synergy!」を導入して高い成果を残した事例として、株式会社NTTスマイルエナジー様の事例を紹介します。

同社は、NTT西日本とオムロンの共同出資で設立された企業です。50kW以下の低圧太陽光発電設備向け遠隔モニタリング市場において、トップクラスのシェアを持つサービス「エコめがね」を提供しています。エコめがねとは、施工店・施主の両方が発電量を確認できるサービスです。発電状況を事務所やオフィスから確認することで、トラブルを早期に把握・対応できる体制を整えられます。

同社はもともと、展示会メインで営業を行っていました。具体的には、年3回の展示会に出展して毎回数百件の見込み顧客リストを集め、次の展示会までに営業担当がフォローして案件を作るという流れです。

しかし、展示会頼みの営業では、「施工店の数に限りがあるためアプローチ先が先細りする」「展示会で想定通りに集客できないと営業予算に大きなマイナスインパクトがある」という懸念点がありました。

こうした背景から、展示会任せの営業体制を脱し新たな方法でのアプローチを実施するために、マーケティングチームを発足。コンペの末、「広告からCRMまで一気通貫でご支援できる」という点に魅力を感じていただき、「Synergy!」をお選びいただきました。

導入後は「広告で獲得した顧客情報をもとにメールで顧客を育成する」というシナリオを実現するために、顧客情報の取得につながる有効なコンテンツを検討。キャンペーンのような一過性のものではなく、「同社ならではの資産」をいかしたコンテンツを模索しました。

その結果、「都道府県ごとの発電量データを通知するコンテンツ」という案が生み出されます。

都道府県ごとの発電量データを通知するコンテンツの図

同社には、都道府県別の発電量や売電価格といった「ニーズはあるが積極的に公開している企業が少ないデータ」が豊富に蓄積されていたため、独自の資産として有効活用が期待できました。

早速同社は情報を取得した見込み顧客へ、発電通知メールをシナリオのフックとして、継続的なメールフォローを実施。施主向けと施工店向けで文面を変更したうえで、登録日を起点としたステップメールを配信しました。

その結果、配信を始めて半年ほど経過(取材当時)した時点で、「開封率40%・クリック率7%」という高い数値を達成。自社の独自資産をいかしたシナリオを考えて、「発電量をモニタリングしたい」というニーズが高い見込み顧客へメールを配信し、大きな成果を残した好例といえるでしょう。

株式会社NTTスマイルエナジー様の事例詳細については、以下の記事をご確認ください。

CRMシステムも活用して顧客ニーズに刺さるステップメールのシナリオを設計しよう!

CRMシステムも活用して顧客ニーズに刺さるステップメールのシナリオを設計しよう!

ステップメールを実行する際は、顧客の「認知・比較検討・購入・リピート」というプロセスごとのニーズを踏まえたシナリオ設計が必須です。顧客の心理状態の変化やアクションなどを踏まえて最適なシナリオを設計できれば、信頼関係が生まれ長期的なファン化につながります。

具体的には、以下の手順を参考にしてシナリオを設計しましょう。

  • Step1.シナリオ作成の目的を設定する
  • Step2.自社でアプローチすべきペルソナを定める
  • Step3.カスタマージャーニーマップをもとに顧客のアクションやニーズを分析する
  • Step4.具体的なシナリオを作成する
  • Step5.メール文面を作成する
  • Step6.シナリオに沿って配信しPDCAサイクルを実行する

シナリオ設計の際は、「ステップメールの目的を明確化する」「毎回のメールでメッセージが伝わるよう文面を作成する」などのポイントを意識することが大切です。

シナリオ設計自体は、システムを利用しなくても実行できます。しかし、ターゲットへ刺さる効果的なシナリオを設計するには専門的な知見が必要なため、基本的にはメール配信システムやMA、CRMシステムを活用しましょう。とくにCRMシステムであれば、あらゆるフェーズの顧客情報を一元管理できるため、「資料のダウンロード顧客を商談へつなげたい」「商品の初回購入者を定期契約へ引き上げたい」といったさまざまなシーンに合わせたシナリオを柔軟に設計できます。

もしCRMシステムの導入を検討しているのであれば、ぜひ弊社が提供する「Synergy!」の利用もご検討ください。「Synergy!」であれば、運用定着に向けたマンツーマンのサポートはもちろん、ステップメールを含めたマーケティング施策の代行まで実施可能です。

希望に応じてワンストップでお任せいただけるため、「ステップメール施策が初めてで正しいシナリオの設計方法がイメージできない」という企業でも安心して利用できます。

ツールの詳細や具体的な機能などが気になった人は、まず以下のリンクより資料だけでもご覧ください。

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この資料では以下の内容を紹介しています。
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関連情報

※記載されている内容は掲載当時のものであり、一部現状とは内容が異なる場合があります。ご了承ください。