「LTV(顧客生涯価値)」は、顧客が自社と取引を始めてから、関係が終了するまでにトータルで得られる利益のことである。現代では、新規顧客の獲得ハードルやコストが高くなっていることから、既存顧客の維持が重要視されている。

LTV(顧客生涯価値)とは

「LTV(顧客生涯価値)」とは、ある顧客が自社の商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係のなかで得られる利益を指す。1回の取引だけではなく、2回目以降のリピート購入による利益も含まれる。

企業やブランド、商品やサービスへのロイヤルティーが高いほど、LTVも高まる傾向がある。LTVは、顧客が自社にもたらすであろう利益を数値化したものなので、これを高めることが企業活動・マーケティング活動で重要となっている。

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LTV(顧客生涯価値)が注目される理由・背景

LTV(顧客生涯価値)が注目される理由・背景として、以下の4つが挙げられる。

  • 新規顧客の獲得が難しくなっている
  • 顧客ロイヤルティーの向上が求められている
  • 「One to Oneマーケティング」が主流化している
  • サブスクリプションサービスが増えている

新規顧客の獲得が難しくなっている

近年では「人口の減少」と「市場の飽和」により、新規顧客の獲得が難しくなっている。人口は急激に減り続けており、市場では企業がパイを取り合って競争が激化する。さらに、現代の市場はさまざまな商品・サービスが飽和状態にあり、品質や価格などの商品力で競合他社との差別化を図ることも容易ではない。

新規顧客の開拓には、既存顧客の維持の約5倍のコストがかかるといわれている。そのため、ひとりの顧客を大切にするLTVの概念が注目されている。

顧客ロイヤルティーの向上が求められている

市場の縮小と飽和により、競合他社との差別化と新規顧客へのアピールが難しくなった。そのため、自社の商品・サービスに対する顧客の愛着や信頼を示す「顧客ロイヤルティー」が重要視されている。顧客ロイヤルティーが強い「ロイヤルカスタマー」は、競合他社に流れづらく継続的な購買が見込めるうえに、SNSなどで好意的なクチコミを広めてくれるという特徴がある。

こうした顧客ロイヤルティーの強さを測る指標のひとつがLTVで、これを高める施策を実施することで、ロイヤルカスタマーが増えて既存顧客を維持しやすくなる。

「One to Oneマーケティング」が主流化している

社会の変化やインターネットの普及などにより、消費者の思考や趣味嗜好が多様化した。そのため、従来の画一的なマスマーケティングでは、顧客の多様なニーズを満たすアプローチが難しくなっている。こうした背景から、現在では顧客一人ひとりに合わせた「One to Oneマーケティング」が主流になりつつある。

One to Oneマーケティングでは、顧客と丁寧なコミュニケーションを取り、ロイヤルティーを醸成することが重要。顧客ロイヤルティーを測る指標のひとつとして、LTVが注目されるようになった。

サブスクリプションサービスが増えている

サブスクリプション型のサービスが増えたことも、LTVが注目される理由のひとつ。サブスクリプションサービスは、顧客に継続利用してもらうことで利益が生じるため、顧客の満足度やロイヤルティーを高める施策が必要である。LTVは、こうした施策の成果を測る指標となり、サブスクリプションサービスで特に重要視されている。

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LTV(顧客生涯価値)の計算方法と重要指標・用語

LTV(顧客生涯価値)は、基本的には以下の計算式で算出できる。

LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 1年間の購入回数 × 継続年数

例えば、粗利率30%で単価15,000円の商材を毎月1回、3年間継続して購入した顧客の場合は、「15,000円×0.3×12×3」という計算式でLTVは162,000円となる。この数値から顧客の獲得・維持コストを差し引くと、コストを考慮したLTVを算出可能。

また、サブスクリプション型のサービスでは、以下のように「チャーンレート(解約率)」を利用したLTVの算出方法も一般的。

LTV = 平均購入単価 ÷ チャーンレート

LTVの算出方法と合わせて、以下のような用語や指標について理解しておくことも大切。

  • ARPAとARPU
  • CAC
  • MQLSQL
  • チャーンレート
  • ユニットエコノミクス

ARPAとARPU

「ARPA(Average Revenue Per Account)」は、1つのアカウントの平均売上額を示す指標で、算出方法は以下のとおり。

ARPA = 売上 ÷ アカウント数

例えば、毎月の売上高が1,000万円でアカウントが200の場合、ARPAは50,000円。LTVで欠かせない「平均購入単価」をアカウント単位で求める際に役立つ。

ただし、ARPAとARPUを混同しないように注意が必要である。「ARPU(Average Revenue Per User)」は、1人のユーザー(顧客)あたりの平均売上額を示す指標。ARPAは、サブスクリプションサービスの普及により、1つのアカウントを複数のユーザーで利用したり、複数のデバイスで共有したりするケースが増えたことで登場した。

自社の商品やサービスの形態に応じて、アカウントベースとユーザーベースのどちらで平均売上額を求めるのか、適切に判断することが重要。

CAC

「CAC(Customer Acquisition Cost)」は、1人の顧客を獲得するために生じたコストを指す指標で、以下の計算式で算出可能。

CAC = トータルの顧客獲得コスト ÷ 新規顧客数

「トータルの顧客獲得コスト」には、営業・マーケティング・広告などにかかったコストが含まれている。LTVを正確に把握するためには、コストを考慮することが欠かせないのでCACは重要な指標である。

MQLとSQL

「MQL(Marketing Qualified Lead)」は、マーケティング活動で得られた「確度の高いリード」を指す用語である。オウンドメディアメールマーケティングなどの施策で獲得した見込み顧客のなかで、リードナーチャリングの効果が大きい層を指すことがポイント。

さらに、このMQLのなかでも営業担当が対応すべき見込み顧客を、「SQL(Sales Qualified Lead)」と呼ぶ。MQL・SQLを適切に選別してアプローチすることで、長期の継続利用や高付加価値の契約に結びつきやすくなり、平均購入単価とLTVの向上が期待できる。

チャーンレート

「チャーンレート」は、自社サービスを顧客が解約する割合、つまり解約率を意味する指標。チャーンレートには、顧客数ベースの「カスタマーチャーンレート」と、収益ベースの「レベニューチャーンレート」の2種類のものがある。

一般的に、チャーンレートは月次と年次で数値が大きく異なるケースもあるため、自社サービスの実態を踏まえて適切に算出することが大切。

ユニットエコノミクス

ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性を表現するための指標。サブスクリプションサービスで使用されることが多く、以下の計算式で算出できる。

ユニットエコノミクス = LTV ÷ CAC

一般的には、ユニットエコノミクスの値が3以上であれば、サブスクリプションビジネスは健全な状態であると考えられている。ユニットエコノミクスが低い場合は、LTV(顧客生涯価値)に対してCAC(顧客獲得コスト)が高いことを意味するため、ビジネスの収益性が悪化しているといえる。

ユニットエコノミクスの数値を改善するためには、顧客獲得コストを下げながらも、顧客ロイヤルティーを高めて長期契約へつなげるための施策が必要である。

LTV(顧客生涯価値)を向上させるための施策

LTV(顧客生涯価値)を向上させるための施策として、以下の4つのものが挙げられる。

  • 購入単価を上げる
  • 購入頻度を高める
  • コストを減らす
  • 解約率を下げる

購入単価を上げる

LTVは1人の顧客の購入金額と結びついているため、購入単価を上げればLTVも向上する。そのためには、単純に商品・サービスの値上げが考えられるだろう。しかし、自社商材の強みが価格競争力にある場合は、値上げは顧客の離脱リスクを高めるので要注意。

そこで広く活用されているのが、「アップセル」や「クロスセル」などの施策が考えられる。アップセルは上位サービスへの移行を促すこと、クロスセルは関連サービスやセット購入などへ誘導する手法。例えばECサイトにおいては、おすすめ表示やメルマガでのレコメンドなどが、典型的なアップセル・クロスセルの施策となっている。

購入頻度を高める

顧客の購入頻度が高まれば、LTVは自然と向上する。例えば、自社商材を購入した顧客に対して、メールマガジンで「お役立ち情報」や「サービスのリマインド」などを配信すれば、顧客と継続的なコミュニケーションができる。メールの開封・クリック状況やアクセス履歴などを活用し、適切なタイミングでアプローチすることで、購買へのトリガーを作り出せる。

コストを減らす

LTVは顧客獲得コストを考慮することが重要で、そのコストが高ければLTVは低下する。そこで「CRM(顧客関係管理)」の概念を活用し、顧客維持のコストを削減することが重要。顧客情報を適切に活用することで、低コストで顧客にアプローチしやすくなる。

解約率を下げる

チャーンレートを下げる取り組みも、LTVの向上に必要不可欠。顧客の離脱を防ぐためには、顧客のニーズを満たすために商品力を高めることが重要だが、それだけでは飽和状態にある現代の市場では顧客を維持できない。

そこで顧客データを活用して先回りしたコミュニケーションを展開するなど、CRMの概念を活用した施策を展開することで、チャーンレートを下げることができる。

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