Synergy!LEADでABテストメールを実現するには?
Synergy!LEAD には、現在 A/Bテスト専用の機能はありません。
ただし、Salesforce 側で配信対象をあらかじめ A群・B群に分けておき、それぞれに内容を変えたメールを配信することで、A/Bテストと同等の検証を行うことができます。
このページでは、その方法を 2 通りご案内します。
目次
対応方法のご案内と方法の選び方
| 方法1:数式項目で分ける | 方法2:キャンペーンで分ける | |
|---|---|---|
| 最初の設定 | Salesforce に数式項目を 1 つ作成 | 不要 |
| 毎回の作業 | なし(条件を指定するだけ) | 対象リストの作成が必要 |
| 配信対象の追跡 | 条件で絞り込んで確認 | キャンペーンメンバーとして一覧で残る |
| 対象オブジェクト | 配信対象にできるオブジェクトすべて | リード・取引先責任者 |
| 対象者が増えたとき | 自動的に A群・B群へ振り分け | 都度リストを作り直す |
| 向いているケース | 定期的なメルマガの件名テストなど、継続的に検証したい場合 | 単発の施策や、「誰に何を送ったか」を後から一覧で確認したい場合 |
継続的に A/Bテストを行うのであれば 方法1、単発の施策で対象者を明確にリストとして残したいのであれば 方法2 をおすすめします。
方法1:数式項目を使って自動的に分ける
Salesforce のレコード ID を利用して、各レコードを機械的に A群・B群へ振り分ける数式項目を作成します。一度作成すれば、以降は配信の絞り込み条件で「A」「B」を指定するだけで A/Bテストが行えます。
STEP 1. 数式項目を作成する
リードに対して配信を行う場合は「リード」、取引先責任者に対して配信を行う場合は「取引先責任者」に、それぞれ以下の項目を作成します。
- Salesforce の [設定]→[オブジェクトマネージャ] を開き、対象のオブジェクト(リード/取引先責任者)を選択します
- [項目とリレーション]→[新規] をクリックします
- データ型で [数式] を選択し、[次へ]をクリックします
- 以下のとおり入力します
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 項目の表示ラベル | A/Bテストグループ |
| 項目名 | ABTest_Group |
| 数式の戻り値のデータ型 | テキスト |
- 数式に、以下をそのまま貼り付けます
IF(
MOD(
FIND(
MID(Id, 15, 1),
"0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz"
),
2
) = 1,
"A",
"B"
)
- [構文を確認] をクリックし、エラーが出ないことを確認します
- 参照可能にする項目レベルセキュリティ、追加するページレイアウトを指定して保存します
項目レベルセキュリティを「参照可能」にしてください
ここで参照可能にし忘れると、レポートの項目一覧にも Synergy!LEAD の絞り込み条件にも項目が表示されません。配信を行うユーザーのプロファイルが参照可能になっているかをご確認ください。
STEP 2. A群・B群がほぼ同数になっているか確認する
作成した数式が正しく動作しているかを、レポートで確認してください。この確認は必ず行ってください。
- 対象オブジェクトのレポートを新規作成します
- 作成した 「A/Bテストグループ」でグループ化します
- A と B のレコード件数を確認します
件数が概ね半々(数%程度の差)であれば正常です。極端に偏っている場合や、A と B 以外の値が出ている場合は、数式が正しく貼り付けられているかをご確認ください。
STEP 3. Synergy!LEAD で配信を 2 本作成する
A群用・B群用に、配信を 2 本作成します。
- 通常どおり配信を作成し、配信対象の絞り込み条件を設定します
- その条件に、「A/Bテストグループ」=「A」 を追加します
- 同じ手順でもう 1 本配信を作成し、条件を 「A/Bテストグループ」=「B」 にします
- 2 本の配信で、検証したい箇所(件名など)だけを変更します
- 同じ日時を指定して、2 本とも予約配信します
絞り込み条件は、グループ以外をまったく同じにしてください
A群とB群で母集団の条件が違うと、結果の差がメールの内容によるものか、対象者の違いによるものかが判断できなくなります。
STEP 4. 結果を比較する
配信後、配信実績から A群・B群それぞれの配信数・開封率・クリック率を確認し、比較します。
【応用】3グループに分ける・比率を変える
3グループ(A・B・C)に分ける場合
CASE(
MOD(
FIND(
MID(Id, 15, 1),
"0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz"
),
3
),
1, "A",
2, "B",
"C"
)
約 10% と約 90% に分ける場合(一部にだけ先行配信したいときなど)
IF(
FIND(
MID(Id, 15, 1),
"0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz"
) <= 6,
"A",
"B"
)
<= 6 の数値を変えることで比率を調整できます(62 分のいくつ、という考え方です。<= 6 なら約 10%、<= 16 なら約 26%)。
方法1 のご注意
- リードと取引先責任者では、それぞれ項目の作成が必要です。 ID はオブジェクトごとに異なるため、両方に配信する場合は両方に項目を作成してください。
- リードを取引先責任者に変換すると、振り分けが変わる場合があります。 変換時に新しい ID が割り当てられるため、変換前後で群が入れ替わることがあります。
- カスタムオブジェクトを配信対象としている場合も、同じ数式をそのまま利用できます。
方法2:キャンペーンを使って分ける
Salesforce のキャンペーンを 2 つ作成し、配信対象をランダムに振り分けて登録します。「誰に A を送り、誰に B を送ったか」がキャンペーンメンバーの一覧としてそのまま残るため、配信後の分析がしやすい方法です。
対象は、キャンペーンメンバーにできる リード・取引先責任者 に限られます。
STEP 1. キャンペーンを 2 つ作成する
Salesforce のキャンペーンタブから、A群用・B群用に 2 つのキャンペーンを作成します。
- 例:
2026-10 メルマガA/Bテスト_A/2026-10 メルマガA/Bテスト_B - 親キャンペーンを 1 つ作成し、その子キャンペーンとして A・B を作成すると、後で合計値も確認しやすくなります
STEP 2. 配信対象の母集団をレポートで抽出する
A/Bテストの対象としたい方の条件をレポートで組み、対象者を抽出します。この時点では A・B を分けず、対象者全体を抽出してください。
STEP 3. A群・B群に振り分ける
対象件数や運用に合わせて、以下のいずれかの方法で振り分けます。
(a) スプレッドシートでランダムに分ける(推奨)
- STEP 2 のレポートをエクスポートします
- Excel や Google スプレッドシートで開き、空いている列に
=RAND()を入力して全行に反映させます - その列で並べ替えます(Excel の場合は、並べ替え前に値として貼り付けてください)
- 上半分を A群、下半分を B群とします
- それぞれを、STEP 1 で作成したキャンペーンにメンバーとして登録します
- データローダー、またはキャンペーンメンバーのインポート機能をご利用ください
(b) レポートやリストビューから直接追加する
件数が少ない場合に手軽な方法です。
- レポートまたはリストビューで対象者を表示します
- 対象を選択し、[キャンペーンに追加] を実行します
ただし、表示順のまま上から選ぶとランダムにはなりません(登録順や名前順に偏ります)。並べ替え順を意識せずに選択すると、A群とB群の性質が偏る点にご注意ください。
(c) 方法1 の数式項目と組み合わせる
すでに方法1 の数式項目を作成している場合は、レポートの抽出条件に「A/Bテストグループ」を追加し、A群だけ・B群だけを抽出して、それぞれのキャンペーンに登録することもできます。
ランダムな振り分けとリスト管理を両立できます。
STEP 4. Synergy!LEAD で配信を 2 本作成する
A群用・B群用に、それぞれのキャンペーンを配信対象として配信を 2 本作成します。
- メール配信(キャンペーン)で、配信対象に A群のキャンペーンを指定します
- 同じ手順で、B群のキャンペーンを指定した配信をもう 1 本作成します
- 2 本の配信で、検証したい箇所(件名など)だけを変更します
- 同じ日時を指定して、2 本とも予約配信します
STEP 5. 結果を比較する
配信実績から A群・B群それぞれの配信数・開封率・クリック率を確認し、比較します。
キャンペーンメンバーの一覧が残っているため、「反応があった方」を絞り込んで次のアプローチにつなげることもできます。
方法2 のご注意
- 対象者が増減しても自動では反映されません。 母集団が変わった場合は、キャンペーンメンバーを登録し直してください。
- 既存のキャンペーンを使い回すと、過去の配信対象が混ざります。A/Bテストごとに新しいキャンペーンを作成することをおすすめします。
A/Bテストを成功させるためのポイント
変更する箇所は 1 つだけにする
件名と本文とCTAを同時に変えてしまうと、どの変更が結果につながったのかが分かりません。1 回のテストで検証する要素は 1 つに絞ってください。
| 検証したいこと | 変更する箇所 | 見るべき指標 |
|---|---|---|
| どの件名が開かれやすいか | 件名 | 開封率 |
| どの差出人名が開かれやすいか | 差出人名 | 開封率 |
| どのボタン文言が押されやすいか | CTA のテキスト | クリック率 |
| どの構成が読まれやすいか | 本文レイアウト | クリック率 |
同じ日時に配信する
配信する曜日や時間帯は、開封率に大きく影響します。A群とB群を別の日時に配信すると、メールの内容ではなく配信タイミングの差を見ていることになってしまいます。必ず同日・同時刻に予約配信してください。
件数が少ないと差は読み取れない
件数が少ない場合、A群とB群に差が出ても、それが偶然によるものである可能性が高くなります。目安は以下のとおりです(開封率 20%前後を想定した概算です)。
| 各群の件数 | 読み取れる差の目安 |
|---|---|
| 1,000 件未満 | 参考程度にとどめてください |
| 約 1,000 件 | 5 ポイント程度の差 |
| 約 3,000 件 | 3 ポイント程度の差 |
| 約 6,000 件 | 2 ポイント程度の差 |
件数が確保できない場合は、1 回の結果で判断せず、同じテストを複数回繰り返して傾向を見ることをおすすめします。
結果を記録する
テストの結果は、次の施策に活かしてはじめて意味を持ちます。「いつ・何を・どう変えて・どうなったか」を記録に残しておくと、自社の顧客に響く型が見えてきます。
よくあるご質問
Q. 数式項目を作成すると、既存のレコードは更新されますか?
いいえ。数式項目は参照時に計算される項目のため、レコードの更新履歴は増えません。データストレージも消費しません。
Q. A群とB群の件数が完全に同じになりません。問題ありますか?
数%程度の差であれば問題ありません。ID をもとにした振り分けのため、ちょうど半々にはなりません。極端に偏っている場合のみ、数式をご確認ください。
Q. 一度 A群になった方は、ずっと A群のままですか?
方法1 の場合はそのとおりです。レコードの ID は変わらないため、振り分けは固定されます。テストごとに振り分けを変えたい場合は、方法1 の【応用】または方法2 をご利用ください。
Q. 3 パターン以上を比較できますか?
できます。方法1 の【応用】の数式を使うか、方法2 でキャンペーンを 3 つ以上作成してください。配信もパターンの数だけ作成します。
Q. カスタムオブジェクトを配信対象にしている場合も使えますか?
方法1 はご利用いただけます。方法2 はキャンペーンメンバーにできるリード・取引先責任者のみが対象となります。
